人気ライトノベルでアニメ化もされた作品『僕は友達が少ない』(以下「はがない」)のヒロインの1人である柏崎星奈(かしわざき せな)。
せな

星奈といえば、でかい胸と綺麗な金髪、そしていつもつけている青い蝶の髪飾りが印象的。

蝶は他のアニメや漫画でも意味ありげなモチーフとしてちょくちょく出てくるので、どんな意味をもっているのかを『アイテムで読み解く西洋名画』という本で調べてみた。




古代ギリシャ人は、人が亡くなるとき、死者の口から魂が抜け出ると信じていました。その様子は、さなぎから抜け出る蝶の姿にたとえられ、以後、蝶は人の魂を象徴するものとなったのです。

イタリアのポンペイで発掘された《死者の頭》というモザイク画に描かれた蝶などが一例。ちなみにマンガやアニメで蝶を魂の象徴として使っている作品といえば、CLAMP原作のマンガでアニメ化もされた『×××HOLiC』とかがそうじゃないかな。


“あやかし”が視えてしまう霊感体質の持ち主、四月一日君尋(ワタヌキ・キミヒロ)はある日、吸い寄せられるように一軒の家に……。そこは、市原侑子(いちはら・ユウコ)という名の妖しい女性が主人をつとめる店で、どんな願いも、見合った対価をはらえばかなえるという。そこで働かざるを得なくなった君尋は、今日もコキ使われて…!?人間の内面を描き出す、不思議コメディ!『ツバサ』読者も必読です!

「訪ねてきた人の願いを叶える」という店の主人・侑子さんのまわりには、しばしば蝶が飛んでいたり、侑子さん自身も蝶をモチーフにした髪飾りや着物を着ていたりするんだけど、これは「あやかし」という不可思議な存在を扱う彼女のイメージとしてはぴったり。





男性の霊魂
19世紀中ごろのイギリスで活躍したラファエル前派の画家たちにとって、蝶は重要なモチーフでした。彼らは、魅力的な女性に吸い寄せられる男性の霊魂を象徴するものとして、蝶を描いています。

ラファエル前派の画家ロセッティが描いた《ヴェヌス・ヴェルティコルディア》でも、美女のまわりをさまよう男性の魂として、複数の蝶が描かれています。

上で書いた「蝶は魂の象徴」という考え方を発展させた感じ。


星奈の髪飾りの意味としては、こっちのがしっくりくる。作中で星奈はクラスの男子から超人気だったし、主人公と両想いにもなったことを考えると、「男どもが星奈の容姿に目を奪われて吸い寄せられるさまを、あの蝶の髪飾りは表現しているのだ(キリッ」っていう、僕がずいぶん前に直感的にひらめいた主張も、あながち間違っちゃいなんじゃないかな。「はがない」の作者がここまで考えていたかどうかは知らないけど、少なくとも結果として、「星奈のキャラクター」と「モチーフとしての蝶の意味」はマッチしてる。


ちなみに蝶には他にも、愛の神・クピド(キューピッド)の恋人であるプシュケという女性のシンボルだったり、イエス・キリストの復活を暗示するもの、といった意味もあるらしい。興味のある人には、以下の本がおすすめ。