『乙女戦争』の作者による歴史短編集。


4つの短編が収録されていて、そのうち「男装の殺人鬼 マネット・ボヌール」「ブルターニュの雌獅子 〜復讐のジャンヌ」「涙の乙女 〜或るインカ皇女の悲劇」の3作品は実話をもとにしており、いずれも女性が主人公です。

好きだった男性に振られたあげく、他の男たちに散々犯された恨みで殺人鬼と化すマネット・ボヌール。理不尽なかたちで処刑された夫の無念を晴らすため、国王への復讐を誓うジャンヌ・ド・ベルヴィル。スペインに国を滅ぼされた後ピサロの妻にさせられるも、女としての戦いを続けるインカ皇女。
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それぞれ結末は違いますが、いずれの作品でも、男性優位の時代のなかで過酷な運命に翻弄されながら、それでも強くあろうとする女性たちの、恐ろしさやたくましさを感じました。



最後に収録されている「豚王」は、その醜い容姿から「豚」と呼ばれ、差別されてきた男の復讐劇。

ストーリーは完全なオリジナルで、出てくるのも全て架空の人物。それでも、13〜14世紀頃のフランスの雰囲気がひしひしと伝わってきました。ローダンという女騎士との奇妙な関係も面白かったです。