漫画・アニメ

ラーメンをビジネス的視点から圧倒的うんちく量で語る『ラーメン発見伝』は最高のグルメ漫画だ

こんにちは、アニメ&漫画レビュアーのイッキです。

今回は、僕が日本一面白いと確信しているグルメ漫画『ラーメン発見伝』を紹介します。

あらすじ

主人公は、サラリーマンとして働きながら、ラーメン屋になることを目指して、毎晩こっそり屋台を引いてラーメン修行をしているアラサー男・藤本浩平。

この藤本という青年が、売れないラーメン屋の相談に乗ってあげたり、一方で繁盛店と対立して、どっちが美味いラーメンを作れるかを競ったりしていきながら、本当に自分の作りたいラーメンを探求していく話です。

ここが面白い!

うんちくが満載

まず、ラーメンに関するうんちくの量が半端ないです。

例えば、ラーメンっていうのは、食材は全て最高級のものを使えば美味しくなる、というわけじゃないんですね。ラーメン全体として上手くまとまった味じゃないとダメ。

チャーシューなど特定の具材が美味しすぎるせいで、全体のバランスが損なわれて、そのラーメン本来の良さが潰されてしまう、なんてことが起こるわけです。

そうならないように、それぞれの良さを引き立たせるような適切な食材・調味料の組み合わせを考えて作る必要があるんですね。

 

それから、ラーメン屋さんの技術の重要性についても描かれています。例えばスープのすくい方。

鍋に入ったスープは上から下まで均一なわけではなくて、上のほうに脂が多く浮かんでいたりして、多重構造になっていることがあります。

その場合、おたまでテキトーにすくい上げると、あるときは脂が多すぎたり、またあるときは逆に少なすぎたりと、ムラができちゃうんですね。

なのでプロのラーメン屋は、鍋の上の層と下の層の成分をちょうど良いバランスですくい上げて、スープの味が毎回安定したラーメンを客に出すようにしているんです。

(第2巻 第十二杯「小池サンの技」より)

…こんな感じで、普段僕らがなんとなく食べているラーメンが、どれだけ多くのことを考えられて作られた料理なのか、ということについて、圧倒的な量のうんちくが語られています。

僕も読んでいて「ラーメンって、こんなに奥が深いのか!」と感動させられました。

主人公が毎回新たな発見をしながら成長していくとともに、僕ら読者もラーメンに関するかなりの知識を得ることができるわけです。

 

ビジネス的視点からラーメンを語っている

この作品で語られているのは、どうやって美味しいラーメンを作るか、ということだけではありません。むしろメインは、どうやってラーメン屋をビジネスとして成功させるか、という点です。

美味しいラーメンを作るだけなら、アマチュアの料理人でもできる。しかし、ラーメン屋としてやっていくには、店の席数や立地、客層などを考える必要があります。

それから、食材も1年中安定して仕入れることができるように、仕入先を確保しておかなきゃなりません。

 

こんなふうに、飲食店の経営とはどんなものか、客商売とはどうあるべきか、といった様々なビジネス的側面からラーメンを語っていて、これもまた読んでいてすごく勉強になるんです。

 

ハゲ男の名言が魅力的

この作品を語るうえで欠かせないのが、主人公のライバルである芹沢というラーメン屋の存在。

ラーメン屋をやりながらフードコンサルティングの会社も経営していて、主人公の藤本とコンペでラーメン対決を繰り広げるハゲです。

「ラーメンをビジネス的視点から語っているのがこの漫画の魅力だ」と先程書きましたが、その役割を担っているのがこのハゲなんですね。

藤本はラーメンを作る腕は確かでも、経営者としての経験はなし。

そんな藤本に対し、プロのラーメン屋であり経営者である芹沢は、ビジネスとしてのラーメン屋の難しさ・厳しさを藤本に思い知らせて、毎度のラーメン対決で藤本をフルボッコにします。

(第7巻 第五十四杯「客の心理(後編)」より)

こんな感じで、ハゲのくせに要所要所で読者を唸らせるような名言を、バンバン繰り出してきます。

その言葉には毎回めちゃくちゃ説得力があって、そのため主人公のライバルとしてすごく魅力的なキャラになっているんですよね。

藤本は、この芹沢に毎回コテンパンにやられながら、それでも何度も立ち向かっていき、少しずつ成長していくのです。

 

続編の『らーめん才遊記』も面白いよ

この『ラーメン発見伝』、連載時はかなり評判が良くて、その後主人公を変更した『らーめん才遊記』という続編も出ました↓

ある日芹沢の会社に、汐見ゆとりという女の子(本作の主人公)が入社して、ラーメンコンサルティングの仕事を任されるという話です。

ゆとりはラーメン業界や経営のことなんかまったく知らないんですけど、味覚センスは抜群で、毎回芹沢も驚くようなアイデアで美味しいラーメンを開発するんです。

 

『ラーメン発見伝』は、内容的には文句なしの面白さなんですが、アラサーの冴えないサラリーマンとハゲが対決する、というなんとも地味な絵面だったんですよね。

その点、続編の『らーめん才遊記』は、主人公が女の子で、他の登場人物も女性が前作より多めなので、ビジュアル的に華やかになっています!

 

さいごに

僕が最初に読んだのは中学生の頃だったんですけど、いまだに何度も読み返すほど好きな漫画です。本当にオススメ。

すごい良作なのに、周りに知っている人が全然いないんですよねぇ。これからどんどん布教していきたいです。